パルモディアの臨床試験の原著論文読んでみた
久しぶりのブログ更新です(;^ω^)
前回、簡単に基本情報をまとめました。
今回はあえて臨床試験データの原著論文を読んでみることにしました(^-^)
パルモディアの基本情報についての前回記事はこちらからどうぞ。
pharmacist-takuma.hatenablog.com
ただ、読む前からアウトカムが代用のアウトカムであることがわかっています。
JJCLIPのチェックシートでは読むのをやめるような論文ではありますが、新薬で日本しか発売がないので、このデータしか無いわけですし、まだまだ代用のアウトカムを正しいと信じている方も多いのではないでしょうか?
そういう方が何を根拠に良いと判断しているのかというのも分かっていた方がいいのではないかな?そう考えると読むのも案外無駄ではないかな?と初心者ながらに考えています。
それに訳わからない審査報告書を読むよりもこっちを読んだ方が案外早く理解できるかもしれないですしね(^-^)
・今回読んでみた論文はこちら!
・論文の概要
試験デザイン:タイトルにも書いてある通りランダム化比較試験(RCT)
論文のPECO:
P:20歳以上の男性と閉経後の女性(TG; ≥150 mg/dLかつHDL<50 mg/dL(男
性)、 <55 mg/dL(女性))
E:ペマフィブラート(0.2㎎、0.4㎎)
C:フェノフィブラート(106.6㎎)
O:投与8、12、16、20、24週後のベースラインからのTGの変化率
アウトカムは冒頭に書いた通り代用のアウトカムであるTGですね。
あまり読む価値はないのかもしれませんが、この論文データを元にMRさんは売り込むのでしょうからそれを鵜呑みにしないように初心者ながら読み進めてみます。
英語アレルギーのため正しく読めていない場合はどうかご指摘ください。(;'o')m タスケテ・・!!
盲検化:二重盲検 これもタイトルに書いてありますね。
ITT解析:本文中に記載なし。
追跡率:99.1%(同意撤回などで225名中2名脱落)
論文の概要はこんな感じでしょうか?では気になる結果について見てみましょう!
・有効性はどれくらい?
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ベースラインからの変化率 |
vsフェノフィブラート[95%信頼区間] |
ペマフィブラート0.2mg |
-46.2 |
-6.5 [-12.0、-1.1] |
ペマフィブラート0.4mg |
-45.9 |
-6.2 [-11.6、-0.8] |
フェノフィブラート106.6mg |
-39.7 |
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・感想
フェノフィブラートに対してTGの変化量で比べて有意差はついていますが、約6%です。これが臨床上どれくらい優れていると言えるのだろうか・・・。
まぁ、そもそも代用のアウトカムで設定してある試験ですが、代用のアウトカムでも効果は微妙に思えます。これくらいの差であればやはりGEも出ている従来のフィブラートで良いと思ってしまいますね。
メーカーさんはHDLも上げますと言っていますが、今回の試験では有意差までは出ていませんし、セカンダリーアウトカムになっていますので、信頼性には欠けるでしょう。
安全性についても試験されていますが、途中で力尽きてあまり読んでいません。
ですが、腎機能への影響はフェノフィブラートよりは少なそうな感じです。
・最後に
先日、あるクリニックからパルモディアの処方を早速受けました。近くのクリニックではないためどんな先生かは分かりません・・・。ですが、おそらくMRさんから他のフィブラートよりもTG下げるし、HDLも上がりますと説明を受けたのでしょう。
新薬は特にMRさんも売り込むために必死でしょうが、薬剤師がきちんと情報提供していかないといけないなぁと改めて感じました。
なんで実際に自分が読んでみた論文についての記念すべき初めての記事が代用のアウトカムの論文なんだろ・・・(TдT) ウゥ…