薬局薬剤師の日常

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仕事~家族~趣味について日々感じたことや、学んだことを書いています。

パルモディア

少しバタバタしていてブログが更新できていませんでしたが、今回は2018.6.1より新発売になったパルモディアについて書いてみようと思います。

パルモディアの添付文書やIFなどはこちらからどうぞ。

www.pmda.go.jp

 

 

 

パルモディア基本情報

一般名:ペマフィブラート(Pemafibrate)

商品名:パルモディア(PARMODIA)

名前の由来:「選択的 PPARα モジュレーター(Selective Peroxisome Proliferator-activated receptor-α modulator:SPPARMα)」として作用を発現することより PARMODIA と命名

規格:0.1mg

薬価:33.9円

販売:興和株式会社

効能効果:高脂血症(家族性を含む)

用法用量:通常、成人にはペマフィブラートとして 1 回 0.1mg を 1 日2 回朝夕に経口投与する。なお、年齢、症状に応じて適宜増減するが、最大用量は 1 回 0.2mg を 1 日 2 回までとする。

食事による影響はないようです。

併用禁忌:シクロスポリン、リファンピシン

併用注意:クロピドグレル、クラリスロマイシンなど

 

海外では承認されておらず、日本のみの発売のようです。

※2018.6.3時点

 

 選択的PPARαモジュレーター:SPPARMα

PPARってなんか聞き覚えが・・・

“ペンとアップルをくっつける”あれではなく、アクトスがPPARγに作用するんでしたね

('ω'*)アハ♪

パルモディアはPPARγではなくPPARαに作用します。

PPARα(Peroxisome Proliferator-Activated Receptor α)は、肝臓や褐色脂肪、心臓、腎臓で強く発現している核内受容体(タンパク質)で、活性化することでTG濃度の低下などを導きます。

このPPARαを介した遺伝子の転写調節を選択的に行うことにより作用するため

SPPARMα(Selective Peroxisome Proliferator-Activated Receptor α Modulator:
スパームアルファ)と呼ばれています。

 

 開発の経緯

何で今頃フィブラート系?と思ってIFの開発の経緯を読んでみたところ、ざっくり言えばスタチンではTGやHDLの改善が不十分で動脈硬化のリスクが残るからより安全な薬を作ったという感じでしょうか。

そのため臨床薬理試験で、各種スタチンとの薬物動態学的相互作用、腎機能障害者及び肝機能障害者における薬物動態が検討されていると記載されています。

ですが添付文書ではスタチンとの併用は原則禁忌となっていますし、腎機能、肝機能障害の方には慎重投与となっています。

詳しい経緯は読み込めてません・・・(;・∀・)

スタチンとの薬物動態学的相互作用と書いてあるので横紋筋融解症について併用禁忌がなくなるのかなって思ったのですが、単にお互いに相互作用はなさそうというだけみたいですね・・・残念(>_<)

 

 臨床試験成績

臨床試験成績ではフェノフィブラートとの比較試験が行われており、いずれの試験においても、空腹時血清 TG の低下作用を有し、0.2~0.4 mg/日で最大効果を発揮することが示されています。

0.2~0.4 mg/日の空腹時血清 TG の低下率は、フェノフィブラート 200 mg/日(微粉化カプセル製剤)に対して非劣性(非劣性マージン 10%)であり、フェノフィブラート 100 mg/日(微粉化カプセル製剤)に対しては優越性が認められた。更に、別の試験成績から、0.2~0.4 mg/日の空腹時血清 TG の低下率は、フェノフィブラート 106.6 mg/日(錠剤)に対して優越性が認められたようです。

 

まとめ

おそらくメーカーさんはTGをよく下げてHDLも上がりますし、選択性があるので安全性も高いですとかって売り込むのかな?

ざっと確認しただけなのでどれくら下げるとかまでは読み込めていないのですが、これだけでは動脈硬化がどれくらい減っているのかは分からないし、GEがある他のフィブラート系よりも積極的に使うにはどうなんでしょうか??

あ、こんな時に論文を読めばいいんですよね(^^;)

とりあえずPubMedでPemafibrateで検索してみたら7件のみで、ほぼ治験での臨床試験の原著論文なのかなって感じでした。日本のみの発売ですし、データも少ないですから、やはりいきなり飛びつく必要はないと感じました。

原著論文の批判的吟味は・・・また今度!(●´ω`●)ゞエヘヘ