薬局薬剤師の日常

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✏末梢性神経障害性疼痛治療薬「タリージェ」についてまとめてみた

先日、「タリージェ」の商品説明会があったため、自分で調べた内容をまとめてみました。φ(..;)勉強

添付文書などの情報はこちらからどうぞ。

医療用医薬品 情報検索 | 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構

 

 

 

タリージェ基本情報

一般名:ミロガバリンベシル酸塩

商品名:タリージェ

 

名称の由来 はTargeting を由来とした“Tar”、Ligand を由来とした“Lig”を組み合わせ、「タリージェ (Tarlige)」とした。

 

製造販売元:第一三共 日本発の新薬

 

規格:2.5mg、5mg、10mg、15mg

 

薬価:78.00円/2.5mg、107.70円/5mg、148.70円/10mg、179.60円/15mg

標準用量でのリリカとの比較:

359.2円/タリージェ15㎎×2錠 vs 306.8円/リリカ150㎎×2錠

※R1.8.14現在

 

用法及び用量:

通常、成人には、ミロガバリンとして初期用量 1回5mgを1日2回経口投与し、その後

1回用量として5mgずつ1週間以上の間隔をあけて漸増し、1回15mgを1日2回経口投与する。

なお、年齢、症状により 1回10mgから15mgの範囲で適宜増減し、1日2回投与する。

 

初期用量:

第Ⅲ相試験の解析結果から、1週間の漸増期と比較し、2週間の漸増期を設定した場合に、傾眠及び浮動性めまいの発現確率が低下とされています。

 

腎機能低下患者における用量調節:

中等度の腎機能低下⇒ 2.5mg 1日2回から投与を開始し、推奨用量は 7.5mg 1日2回

重度の腎機能低下⇒ 2.5mg 1日1回から投与を開始し、推奨用量は7.5mg 1日1回

臨床薬理試験の結果から、中等度機能低下で1/2量、重度機能低下で1/4量投与で健常人の用量と同程度と考えられ、設定されています。

 

食事の影響:

食事の影響はなさそうです。

 

併用注意:

併用禁忌はありませんが、併用注意の中にシメチジンがあり、整形外科ではシメチジンがあえて使われるケースもあると思いますので、注意が必要なのかなと思います。

 

臨床成績(第Ⅲ相試験)

DPNP(糖尿病性末梢神経障害性疼痛)患者824例(日本人597例を含む)を対象とした14週間のプラセボ対照試験での、14 週時の疼痛スコアにおいて、30mg/ 日群(-1.81)プラセボ群(-1.31)と比較して統計学的に有意な改善が認められた。

⇒15mg、20mgは有意差でていない。

これについてMRさんに聞いてみたところ、DPNP患者はそもそもの痛みが取りづらいため、このような結果になったのではと言っていました。

 

PHN(帯状疱疹後神経痛)患者763例(日本人611例を含む)を対象とした14週間のプラセボ対照試験での、14 週時の疼痛スコアにおいて、20mg/日群(-1.68)30mg/日群(-1.97)プラセボ群(-1.20)と比較して統計学的に有意な改善が認められた。

 

 リリカとの比較データ

直接比較はありませんが、疼痛スコアのデータから、同程度と考えていると審査報告書には記載がありました。

商品説明会では、作用機序である、電位依存性カルシウムチャネル α2δ サブユニットに対する結合乖離パラメータの違いを説明していましたが・・・

どうなんでしょう?

 

 タリージェ適正使用ガイド

めまい・傾眠・意識消失について、肝機能障害について、体重増加について、離脱症候群について、視覚障害についての記載があります。

 

個人的にリリカ⇒タリージェ、タリージェ⇒リリカの切り替え例も今後増えると思ったので、離脱症状についても効果のように用量依存的なのか聞いてみたところ、用量依存的と考えられているが、今後の市販直後調査のデータが出てきたら、報告しますとのことでした。

切り替えの際は、スパッと切り替えるのではなく、元に使っていた方を減量しながら、少量上乗せしていくことを推奨しているようです。

 

 まとめ

冒頭に書いたようにタリージェは国産の薬で日本発となるため、現状では臨床試験のデータは豊富ではありません。

また、開発段階では、糖尿病性末梢神経障害性疼痛及び帯状疱疹後神経痛の二つのモデル 疾患以外の末梢性神経障害性疼痛の検討はされておらず、今後情報収集していくこととされていることも少し気になります・・・

 

まだ発売したばかりで新薬扱いのため、14日制限であることや、過酷試験のデータから一包化はできないこともネックかなと個人的には思います。(;´∀`)

しかし、リリカで増量したくても眠気などの副作用が出てしまって増量できない、効果がなかなか得られずに苦しんでおられる方も多くみられますので、選択肢が増えたことは喜ばしいことなのかなと思います。.ヽ(^Д^*)/. ゜

 

 

以上、タリージェについてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?

PMDAから入手できるIF、審査報告書などの情報から記載していますが、間違い等あれば、教えてください!

タリージェのここが素晴らしい、または良くないよね~という感想あれば、気軽にTwitterで絡んでください。(*´∀`*)